傷を癒す
親から、頑張らないお前はダメだとなじられた。悲しかった。
元気のない僕に、近くにいた人は「ざまあみろ、はっはっはっ!」と叫んだ。
別の人は、「がんばらなくていいのよ、あんたはそのままで大丈夫」とやさしく僕に言った。でもどこか自信なさそうだった。
後でびっくりしたのは僕の親も僕を悲しませた人も、僕と同じように親から正当に扱われていなかった傷ついた人たちだった、ということだ。
この傷は治るのだろうか。お酒を飲むと傷は痛むのを止めるのだけど、でも飲みすぎるともっとひどく傷む。
同じように傷ついた若者がいる。彼らには「大丈夫。今はしんどいだろうけどそのうち時間がたてば、傷は休まるから、だから今は耐えて、そのうち良くなるから。」と言いたい。そして自分にもそう言っている。強がりでもいいから鼻歌歌ってやりすごすんや。なんとかなるかも。なんとかならなくてもまあ、ええやんけ。お前はよう頑張ってる。あっ、頑張らんでええんやったっけ?!いずれにせよ、神さんは見ていてくれている、と思うで。